YOSHIMI裁判いっしょにアクション!
「吉見裁判」とは、中央大学の吉見義明さんが、日本維新の会の桜内文城衆議院議員(当時)を名誉毀損で訴えた裁判です。

2014-04-20

事務局からお詫びとお知らせ

 年会費2,000円をお支払いいただき、「YOSHIMI裁判いっしょにアクション」(YOいっション)にご入会いただいたみなさまに、お詫びとお知らせがございます。
 会員のみなさまから、「入会手続きをとったにもかかわらず、事務局から一切連絡がない」とのお問い合わせを、いただいております。YOいっションでは、現在、会報第1号の作成を進めております。5月初めには会員のみなさまのお手元にお届けできる見込みです。入会手続きをとられてから、長期間にわたってなんのご連絡も出来ず、大変申し訳ありませんでした。今暫くお待ちいただければ幸いです。
 このたびは大変ご迷惑、ご心配をおかけしておりますが、今後ともご支援・ご協力をいただければ幸いです。

第3回口頭弁論の報告&参加記

吉見裁判 第3回口頭弁論の報告
 3月3日午後3時、
吉見裁判第3回口頭弁論が東京地裁103号大法廷で開かれました今回もたくさんの皆さんにかけつけていただき傍聴席を埋めることができました。ありがとうござました。
 今回の法廷では原告準備書面2および3が陳述されました。準備書面2は、被告の名誉毀損発言の経緯と趣旨を明らかにしたうえで、これが名誉毀損に当たることを「要件事実」に沿って論じ、第2回弁論で陳述された被告の準備書面1に対して全面的に反論する内容です。渡邊春己弁護士が法廷で詳しくその内容を説明しました。備書面3は、被告の名誉毀損発言によって原告の吉見義明教授がいかに大きな損害を被ったかについて実例を細かく挙げる内容で、れについては穂積剛弁護士が法廷で全面展開しました(詳しくは以下の裁判傍聴記をご一読ください)。
 弁論後の報告集会にも100名ほどのご参加をいただきました。
 第4回口頭弁論は5月19日15時開廷(14時半頃から抽選予定)です。引き続き大法廷を埋めるべく、皆さまのご支援とご協力をお願いいたします。
 ※裁判報告集会は18:00~豊島区民会館で行います。

吉見裁判 第3回口頭弁論 参加記

  33日、第3回口頭弁論が開かれた。

私は吉見先生の裁判の行方を固唾をのんで見守っている者の1人だ。第1回口頭弁論での被告の姿を通して、日本社会の底流に沈殿し続けている歴史修正の汚濁との正面対決の到来を、私は感じた。そればかりでなく桜内氏は「慰安婦」が性奴隷だというのは「虚構の事実」だと述べ、今後の裁判の行方を規定するような重大な主張をした。第三回を迎えた今日、東京地裁に足を運んだ方々は傍聴席の定数を大きく超え、抽選がおこなわれる程にあふれた。

103号法廷は、傍聴券を手にした幸運な人々で満席になった。被告が法廷に姿を現すや否や、傍聴席に向かって手招きし、程なくして1人の女性が被告に駆け寄った。被告は女性の目を見ることもなく何かを言いつけ、女性は重たそうなバッグの中から書類の束を取り出し何かを探している。秘書の様にも見えるその女性の横で被告は時間の経過ばかりを気にし、明らかに苛立った様子。必要な書類を手にしても被告は女性の目をみることはなかった。こうした態度を見て私は、人間は身の程をしらずに「偉く」なってしまってはおしまいだと感じた。

原告席に目を移せば、真剣な面持ちで定刻を待つ弁護団の皆さん。そして穏やかな表情の吉見先生の姿があった。吉見先生の白髪が事実に誠実に向き合う歴史学者の清廉さに重なって、これから始まる口頭弁論と、この裁判が日本社会に問いかけることの重大さを想像させ、気持ちが引き締まるのを感じた。

法廷では、原告側から提出された準備書面が詳細に確認された。渡邊春己弁護士が被告の発言に検討を加え、桜内発言の一体何が問題であるかを理詰めで論証した。裁判後の報告集会でも話されていたが、日本語の文法からしても言い逃れができないほど明らかな名誉毀損の発言が桜内氏によって行われたことをつきつけた。つまり、指示代名詞「これ」は直前の内容を指すのであるから、被告が「これ」という指示代名詞を「吉見先生の本」という以外の意味で使ったと読むことはできない、ということである。文法上も「これ」は「Sex Slavery」などとは言えず、言い逃れはできないということである。さらに穂積剛弁護士は、桜内発言によって吉見先生が被った損害がいかに大きいかを論証した。513日に端を発した維新の会・橋下徹氏の「慰安婦が必要なことは誰にだってわかる」という発言は、同日午後の「米軍にも風俗を活用せよ」と進言したことと相まって国内外に批判を広げた。韓国、中国、米国などをはじめEUなど、批判は世界中に広がった。そんな中、527日に行われた外国特派員協会での記者会見は、世界中の大きな注目を集めた。そうした場で、桜内氏は世界に向けて問題の発言を行った。

会見の模様はインターネットでも中継され、私もリアルタイムで視聴した1人だが、11万5千人を超える来場者と、13万以上のコメントが寄せられた。問題の桜内発言を受けた視聴者のコメントには「ねつ造」「詐欺本」など、吉見先生の本がねつ造であると理解した書き込みで溢れた。その後も動画はネット上に存在し続け閲覧者は増えている。さらに維新の会の公式ホームページにも動画がアップされている。

事実の究明を使命とする歴史学者にとって、世界中のメディアに大きなインパクトのある場で、それも衆議院議員という社会的地位の高い被告によってなされた行為から被る損害の大きさは計り知れない。穂積弁護士は桜内氏に対して、外国特派員協会に謝罪と訂正を行うよう求めた。

こうした原告側の主張に被告側弁護士は一切こたえず、それどころか「訴状と請求原因が違う」「内容を変えたのか」など、言っても言わなくても良いような発言を繰り返した。そもそも、原告側の準備書面は26日の段階で提出されていた。それから1ヶ月の月日は、「『慰安婦』=性奴隷、これはねつ造」なども含め原告自らの主張に誇りがあり、嘘偽りが無いものならば、心血注いで抗弁をまとめるのに十分な時間ではなかったか。正々堂々と主張して見せよ! 私は憤った。裁判官は「原告の主張の中身に違いはない。被告側は真実性(被告は「慰安婦」=性奴隷という認識がねつ造だと主張しているので、立証が必要)の抗弁はしないのか」などと被告側に気を使う程の滑稽さだった。指示代名詞「これ」は直前の内容をさす。そんなことをおさらいするために多くの傍聴者は裁判所に来たのではない。法廷は日本語の文法を学び直す場ではない。

 

弁論に続いて開かれた報告集会でも机椅子が足りなくなるほどに参加者が溢れた。未だ被告がどのような抗弁を組み立ててくるかは分からない。会場からも「今この裁判がどんな地点にあるのか。今後の展開は?」という質問が寄せられた。

 

渡邊弁護士は、被告側弁護士が置かれた状況について、「第1回の意見陳述で桜内氏は『(吉見先生が著書で)世界に嘘をまき散らしている』と発言した。これは『吉見先生が嘘と知りつつ本を書いた』ということになる。これを立証できるか?できっこない。私が相手方の弁護士なら逃げたい。だから『これ』がさす内容だとか、『訴状と請求内容が違う』などと言って逃げ道を探している」と説明した。

大森典子弁護士は、「桜内発言のみで名誉毀損が成立すれば、この裁判は終わる。ところが桜内発言の『これ』は吉見さんの本のことではないと抗弁している」と述べ、「被告側が『「慰安婦」は性奴隷制度というのはねつ造』だという主張を本格的にしてきたら正面から潰して行くことになる。この中身は、次回の口頭弁論までには出てくるのではないか」との見解を示した。

吉見先生は報告会で弁護士の方々の報告を聞き、「だんだん腹が立ってきました」と話し、会場の笑いを誘った。そして河野談話をとりまく状況を述べた。

201310月、産經新聞は出所を明らかにせず、河野談話の元になったという韓国人「慰安婦」被害者16人の証言を入手したと報道し、聞き取り方が「ずさん」などという記事を掲載。その後、『正論』も入手経路を明かさず、「慰安婦」問題を検討する際に最も重要な悲惨で生々しい性的な描写を一部削除して16名の証言を掲載した。

軌を一にして、国会では日本維新の会が河野談話の見直しを迫る動きを強めている。これを受け、政府は非公開の極秘チームを立ち上げようと動いている。こうした一連の逆行の狙いは、「慰安婦」の強制性を否定し、政府の責任を否定し、軍「慰安婦」は性奴隷制であるという認識を否定しようというものだ。

吉見先生は、そもそも河野談話で何が確認されているかに言及し、慰安所は、当時の軍当局の要請により設営」され、「慰安所の設置、管理及び慰安婦の移送は、旧日本軍が直接あるいは間接に関与」し、「慰安婦の募集は、軍の要請を受けた業者が主として当たり、甘言、強圧による等、本人たちの意思に反して集められた事例が数多く」あり、「官憲等が直接これに加担したこともあった」と認めたもので、官憲が直接関わった事件として、スマラン事件は揺るぎない証拠である、さらに、「慰安所での生活が痛ましいもの」であった事実は、元日本軍兵士の証言からも明らかであると述べた。

最後に吉見先生は「河野談話から一歩も後退してはならない」と力を込め、さらに河野談話を以下の方向で強化する必要があると指摘した。

1、河野談話では一貫して「軍の関与のもとに」という表現で責任が語られており、主語が曖昧である。主語を「日本軍が」と明記するべきである。

2、「慰安婦」制度が軍による性奴隷制度であったとは踏み込んでいない。きちんと記載すべきである。

3、「慰安婦」は、当時の国際法に照らしても違法であった問題であり、日本政府の法的責任を認めるところまで明記するべきである。

 

 私は、吉見先生が原告となって闘うこの裁判が勝利するために力を尽くしたい。私は中央大学の学生だった頃、吉見先生の講義を受けた。「慰安婦」という言葉は知っていたけれど(教科書にも「慰安婦」の記載があった)中学や高校の授業では殆ど中身には触れられなかったので、問題の本質を知ることはできなかった。何より、戦争していた頃の出来事であって既に終わった問題だと思っていた。大学4年の時、商学部の先生であった吉見先生の講義を他学部履修し、私はこんなにも過酷な人生を背負わされてしまった女性たちが存在し、まだ生きていらっしゃること、自らの人間の尊厳をかけて遠く日本の地に赴き裁判を闘っていることを初めて知った。私は、吉見先生の授業の中で中国人「慰安婦」被害者の裁判を知り、いてもたってもいられず東京地裁に駆けつけた。その裁判では、「慰安婦」の事実認定はされるも敗訴。泣き崩れる原告の姿・・・。私は、決してこのままでは許されないと、我が身を焼け尽くしそうな怒りを感じながら帰路についたことを今でも鮮明に覚えている。以来、私は「慰安婦」問題を一日たりとて忘れたことはない。自分にできることは、ただひたすら「慰安婦」の事実を、蹂躙された女性たちの人生を、多くの人々に知らせること! 私はそう決意し、あの日から行動を続けてきた。私にとって、大学時代に最も衝撃を受けその後の生き方に大きな影響を与えられた講義は、吉見先生の講義をおいて他にない。私に歴史に向き合うことの大切さを教えてくださった吉見先生に、感謝してもしきれない。

私は今、改めて思う。「なかった」「あった」などという机上の空論に時間を費やす暇はない! 数多くの被害者が実名で体験を語っているし、日本が過去の過ちを認めるに足る十分すぎる資料が既に発見されているからだ。吉見義明著『従軍慰安婦』(岩波新書)を執拗に維新の会などが攻撃するのは、そこに揺るがぬ真実が書かれているからだ。

被告側の抗弁がどのようになっていくか。吉見裁判はこれから益々目が離せない。私も微力ながら裁判をともに闘いたい。頑張りましょう。(池内 沙織)
 

2014-04-15

第4回口頭弁論&報告集会のお知らせ

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昨年、7月26日、中央大学の吉見義明さんが、日本維新の会の桜内文城衆議院議員を名誉毀損で訴え、これまでに3回の口頭弁論が行われました。

まもなく、5月19日第4回口頭弁論が行われます! 
多くのみなさまが傍聴に駆けつけてくださるよう、よろしくお願いいたします。


 日時: 2014年5月19日(月曜日)、午後3時~

 場所: 東京地方裁判所 103号 大法廷

Access→ 東京メトロ丸ノ内線・日比谷線・千代田線、霞ヶ関駅A1出口から徒歩1分。有楽町線、桜田門駅5番出口から徒歩3分。 

!直前の急な変更もあります。念のため事前にご確認ください!
!!当日は、傍聴券が発行され、抽選が行われる見通しです。お早めにお集まりください!!

!!!口頭弁論終了後、午後6時より拡大報告集会を開きます。詳しくは下をご覧ください!!!



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  ☆゚+.  ゚+.☆ 第4回口頭弁論 拡大報告集会☆゚+.  ゚+.☆
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 と き    5月19日(月)18時~

 ところ  豊島区民センター 第3・4会議室(4階)

Access→ JR、東京メトロ(丸の内線、有楽町線、副都心線)、西武池袋線、東武東上線…各池袋東口下車徒歩約5分

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 吉見裁判も第4回まで口頭弁論が進みました!
今回の報告集会は、夜に開催することで、いつも日中に行われる裁判の傍聴が難しかった方々にも開かれた場にしたいと思います!

弁護団の大森典子さんからこの日の裁判をふり返っていただき、ゲストの中西新太郎さんから【排外主義・レイシズムとネット社会 「慰安婦」問題を題材に】というタイトルでお話いただきます。

ウェブ上に見る悪意に満ちたカキコミ。街中では敵意むき出しのヘイトスピーチ。 
排外主義・レイシズム・「慰安婦」…現実とネットはどう関係しているのでしょうか…?

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夜のYOいっション 第4回口頭弁論 拡大報告集会               

吉見義明さん(中央大学)、大森典子さん(弁護団長) による裁判報告

中西新太郎さん(横浜市立大学) による講演 【排外主義・レイシズムとネット社会 「慰安婦」問題を題材に】

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