シンポジウム 吉見裁判と反知性主義
—不当判決を問う—
「吉見裁判」は、日本軍「慰安婦」問題の第一人者である吉見義明さんの著作を、国会議員(当時「日本維新の会」に所属していた桜内文城)が公の場で根拠無く「捏造」と発言したことを、名誉毀損として問う訴訟です。
2016年1月に東京地裁で、同年12月には東京高裁において、驚くような判決を下されました。国会議員による「捏造」との発言は免責されるというのです。
いったい日本の司法はどうなってしまっているのでしょうか? この背景には、社会の一部に広がる「事実なんてどうでもいい」という風潮、反知性主義というべき現象があるように思われます。
このシンポジウムでは、辺野古の訴訟など他事例もとりあげながら、日本社会における反知性主義と「吉見裁判」不当判決を問います。
【内容】(報告タイトルは暫定版です)
1. 吉見義明(中央大学名誉教授)「不当判決を問う」
2. 岡田正則(早稲田大学教授)「研究者の権利保護と司法の現状」
3. サーラ・スヴェン(上智大学准教授)「アメリカ、日本、ドイツ等における反知性主義の諸相」
4. パネルディスカッション 吉見義明・岡田正則・サーラスヴェン
コーディネーター 川上詩朗(吉見裁判弁護団事務局長)
岡田正則
早稲田大学大学院法務研究科教授
1957年生まれ。早稲田大学大学院法学研究科博士課程単位取得退学。金沢大学助教授、南山大学教授を経て現職。専門は行政法。著書として『国の不法行為責任と公権力の概念史』(2013年)、共著に『日韓の相互理解と戦後補償』(2002年)、『判例から考える行政救済法』(2014年)、『地方自治のしくみと法』(2014年)、『辺野古訴訟と法治主義―行政法学からの検証』(2016年)、論文に「「政治的司法」と地方自治の危機―辺野古訴訟最高裁判決を読み解く」世界891号(2017年)など。
サーラ・スヴェン(Sven Saaler)
上智大学国際教養学部教授(日本近現代史)
上智大学国際教養学部教授(日本近現代史)
1968年ドイツ生まれ。ボン大学文学部博士号取得。マールブルグ大学日本研究センター講師、ドイツ-日本研究所人文科学研究部部長、東京大学 大学院総合文化研究科・教養学部准教授を経て、2008年より現職。共編著には、Politics, Memory and Public Opinion (2005年)、Pan-Asianism
im Modern Japanese History (2007年)、 Pan-Asianism. A Documentary
History (2011年)、 Routledge Handbook of Modern Japanese History (2017年)、 Mutual Perceptions and
Images in Japanese-German Relations, 1860-2010 (2017年)など。
【日時】
2017年6月3日(土)14時開始(13時30分開場)
【会場】
早稲田大学戸山キャンパス36号館681室
【資料代】
500円
主催 YOSHIMI裁判いっしょにアクション
共催 戦時性暴力研究会