YOSHIMI裁判いっしょにアクション!
「吉見裁判」とは、中央大学の吉見義明さんが、日本維新の会の桜内文城衆議院議員(当時)を名誉毀損で訴えた裁判です。

2014-01-23

「YOSHIMI裁判いっしょにアクション」への入会を呼びかけます


■ 入会のお願い

  吉見義明さんの名誉毀損裁判の支援ネットワーク「YOSHIMI裁判いっしょにアクション」(共同代表:吉田裕・梁澄子、略称:YOいっション)が二〇一 四年一月に正式に発足しました。「YOSHIMI裁判いっしょにアクション」へのご入会をお願いします。会員には年2~3回会報をお届けします。

 年会費 2,000円
 振替口座 00180-6-323261
 口座名義 YOいっション

 通信欄に名前、住所、所属をご記入ください。


■ メールマガジン

YOいっションではメルマガを発刊しています。最新情報をお届けします。会員の方も、非会員の方も、購読はこちらからお申込み下さい。


■ 吉見裁判とは

 吉見裁判は、中央大学の吉見義明教授が日本維新の会の桜内文城衆議院議員を名誉毀損で訴えた裁判です。

 二○一三年五月一三日、橋下大阪市長は「慰安婦制度は必要なのは誰だってわかる」と発言して内外の批判を浴びました。特に海外での反響に対する弁明として、橋下大阪市長は五月二七日に日本外国特派員協会で記者会見を行いました。

 その場において、司会者が吉見義明教授の著書に触れたことに対し、同席していた桜内文城議員が、「これはすでにねつ造であるということがいろんな証拠によって明らかとされております」と発言しました。桜内議員が「ねつ造」であるとしたのは、吉見義明『従軍慰安婦』(岩波新書、一九九五年)の英訳書であると考えられます。

 吉見教授は、二○年以上にわたって日本軍「慰安婦」の実態を研究してきました。発言の撤回と謝罪を求めたものの拒否されたため、吉見教授が桜内議員を相手に提訴しました。これが、「吉見裁判」と略称している裁判です。

 第一回口頭弁論(一○月七日)では、「慰安婦は性奴隷か否か」について全面的に争う様子もあり,「慰安婦」の定義をめぐる本格論争が展開する歴史的な裁判になることも予想されます。


■吉見義明さんからのメッセージ

 外国特派員協会での橋下大阪市長の記者会見の場で、日本維新の会の桜内文城衆議院議員は、「慰安婦」問題に関する僕の本を「捏造」であるといい、多くの証拠で明らかにされているとまでいいました。研究者の研究成果を捏造であるというのは、その研究者に対する重大な名誉毀損に当るだけでなく、その人格までも否定するものですから、やむをえず提訴しました。第一回口頭弁論で、桜内氏は「慰安婦」が性奴隷だというのは「虚構の事実」の捏造だと主張していますので、これも争点になると思います。徹底的に論破していきたいと思います。ご支援をお願いいたします。


■ お問合せ
 
yoisshon.net

2014-01-11

発足集会 YOSHIMI裁判いっしょにアクション

吉見義明さん(日本近現代史・中央大学)が桜内文城衆議院議員(日本維新の会) を相手取り争っている名誉毀損裁判の支援ネットワーク「YOSHIMI裁判いっしょにアクション」(YOいっション)が2014年1月に正式に発足しま す。これに伴い、大集会を開催することとなりました。つきましては、多くの方のご参加・ご支援をよろしくお願いいたします!!

■日時 : 2014年1月11日(土)14:00〜  (13: 30開場、16:30終了予定)

■場所 : 韓国YMCA 9階国際ホール

■資料代 : 800円(学生500円) 

■主なスピーカー
吉見義明さん 「裁判にあたって」
川上詩朗さん 「吉見裁判の経緯と内容」
荒井信一さん 「吉見裁判の歴史的意義」
大森典子さん 「弁護団から見る吉見裁判の意義」
梁澄子さん   「被害者の視点から見る吉見裁判」

吉見裁判 第一回口頭弁論(2013年10月7日)参加記

10月7日、東京地裁で第一回口頭弁論が開かれた後、17時半〜18時半にかけて霞が関の弁護士会館にて「吉見義明裁判報告集会」が、開催されました。100人規模の会場は満席となり、主催者側が用意した「資料集」も足りなくなるほどでした。

司会進行は、裁判支援のための有志組織から本庄十喜さん(歴科協委員)がつとめられました。
まず弁護団から経過と概要の説明があり、吉見さんの法廷陳述が紹介され、最後に、今後の「支援に向けてのお願い」の呼びかけがありました(支援団体づくりのカンパでは、43840円が集まりました)。

被告側主張のポイントは、どうも
・ 名誉棄損の対象とされている、「これは、既に捏造であるということが、いろんな証拠によって明らかとされています」という桜内議員発言の「これ」が指すの は「sex slavery]であるという主張であるので、吉見さんの本そのものではない、ということになる。しかし被告の陳述の全体を通してみると、「「慰安婦」が 性奴隷だという主張はねつぞうである」、といいたいようである。
・吉見教授の著作とその英訳書は、【慰安婦が「性奴隷」である】、という政治的主張をなしている。
というところにある模様です。

9・26付答弁書から引用すれば、
「8  原告の主張が悪質なのは、原告自身の著作物等に照らしても、『慰安婦、すなわち日本軍の性奴隷』と断定するのは到底不可能であることを研究者として熟知 しつつ、英文翻訳を出版して、『慰安婦、すなわち日本軍の性奴隷』と断定して自らの主張を世界中に撒き散らしたことである。
かかる原告の主張と行為は、日本国及び日本国民の名誉と尊厳を故なく毀損するものであって、断じて許す訳にはいかない。
「9 従って、原告が英文翻訳で『従軍慰安婦は軍による性奴隷であった』と記述し、…断定した『慰安婦、すなわち日本軍の性奴隷』との主張は『捏造』である。」
なのだそうです。

被告側の戦術はまだよくわからないところも多々あるのは事実ですが、原告弁護団の大森典子弁護士が「裁判が本格化する」と述べ、渡邊春己弁護士が、「確信犯として、真っ向からきた」と述べた所以です。
かくしてこの裁判では今後、日本軍「慰安婦」をめぐる核心的認識が、法廷の場で争われることになりそうです。

裁判では、研究内容とその評価にも踏み込むことが予想され、歴史研究としてどのように対応してゆくか、検討を深めたいところです。

・吉見さんご自身は、「これまで裁判支援はしてきましたが、今回はじめて当事者、いわゆる原告というものになりました(笑)」とにこやかに支援を要請されました。

※裁判長の小林久起は、東京地方裁判所部総括判事。
司法と検察を交互に渡りあるき、異動人事で2004年から東京地裁に移り、2011年より総括判事就任という経歴の方です。↓
http://www.e-hoki.com/judge/1125.html?hb=1

・ 当日、ネット右翼による動員はかけられなかった模様です。しかし、桜内議員は「チャンネル桜」やSNS等のサイトを通じ、「国益のため負けられない裁判」 と呼号して、ネット右翼に広く支援活動を呼びかけています。口頭弁論二回目以降、新たな動員がなされる可能性は、予測しておく必要があります。
 (一事務局員)