YOSHIMI裁判いっしょにアクション!
「吉見裁判」とは、中央大学の吉見義明さんが、日本維新の会の桜内文城衆議院議員(当時)を名誉毀損で訴えた裁判です。

2014-01-11

吉見裁判 第一回口頭弁論(2013年10月7日)参加記

10月7日、東京地裁で第一回口頭弁論が開かれた後、17時半〜18時半にかけて霞が関の弁護士会館にて「吉見義明裁判報告集会」が、開催されました。100人規模の会場は満席となり、主催者側が用意した「資料集」も足りなくなるほどでした。

司会進行は、裁判支援のための有志組織から本庄十喜さん(歴科協委員)がつとめられました。
まず弁護団から経過と概要の説明があり、吉見さんの法廷陳述が紹介され、最後に、今後の「支援に向けてのお願い」の呼びかけがありました(支援団体づくりのカンパでは、43840円が集まりました)。

被告側主張のポイントは、どうも
・ 名誉棄損の対象とされている、「これは、既に捏造であるということが、いろんな証拠によって明らかとされています」という桜内議員発言の「これ」が指すの は「sex slavery]であるという主張であるので、吉見さんの本そのものではない、ということになる。しかし被告の陳述の全体を通してみると、「「慰安婦」が 性奴隷だという主張はねつぞうである」、といいたいようである。
・吉見教授の著作とその英訳書は、【慰安婦が「性奴隷」である】、という政治的主張をなしている。
というところにある模様です。

9・26付答弁書から引用すれば、
「8  原告の主張が悪質なのは、原告自身の著作物等に照らしても、『慰安婦、すなわち日本軍の性奴隷』と断定するのは到底不可能であることを研究者として熟知 しつつ、英文翻訳を出版して、『慰安婦、すなわち日本軍の性奴隷』と断定して自らの主張を世界中に撒き散らしたことである。
かかる原告の主張と行為は、日本国及び日本国民の名誉と尊厳を故なく毀損するものであって、断じて許す訳にはいかない。
「9 従って、原告が英文翻訳で『従軍慰安婦は軍による性奴隷であった』と記述し、…断定した『慰安婦、すなわち日本軍の性奴隷』との主張は『捏造』である。」
なのだそうです。

被告側の戦術はまだよくわからないところも多々あるのは事実ですが、原告弁護団の大森典子弁護士が「裁判が本格化する」と述べ、渡邊春己弁護士が、「確信犯として、真っ向からきた」と述べた所以です。
かくしてこの裁判では今後、日本軍「慰安婦」をめぐる核心的認識が、法廷の場で争われることになりそうです。

裁判では、研究内容とその評価にも踏み込むことが予想され、歴史研究としてどのように対応してゆくか、検討を深めたいところです。

・吉見さんご自身は、「これまで裁判支援はしてきましたが、今回はじめて当事者、いわゆる原告というものになりました(笑)」とにこやかに支援を要請されました。

※裁判長の小林久起は、東京地方裁判所部総括判事。
司法と検察を交互に渡りあるき、異動人事で2004年から東京地裁に移り、2011年より総括判事就任という経歴の方です。↓
http://www.e-hoki.com/judge/1125.html?hb=1

・ 当日、ネット右翼による動員はかけられなかった模様です。しかし、桜内議員は「チャンネル桜」やSNS等のサイトを通じ、「国益のため負けられない裁判」 と呼号して、ネット右翼に広く支援活動を呼びかけています。口頭弁論二回目以降、新たな動員がなされる可能性は、予測しておく必要があります。
 (一事務局員)